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小学校のプログラミング教育   3つの懸念

2019年夏 小学校の「プログラミング教育」半年後に迫りました。

各新聞雑誌、テレビ、インターネットなどで「プログラミング教育」の文字を見る機会が増えました。地域で 「子ども向けのプログラミングスクール」も増え夏の研究会では大賑わい。本屋さんでも関連書籍が多く発刊されています。
しかし、
「プログラミング教育?また現場が忙しくなるじゃない!もういい加減にして!」という受け止め方が多いのも事実です。というのも小学校では道徳・英語の教科化に対する対応また「いじめ」問題など取り組むべき多くの課題の中で教職員の勤務実態の課題もある。その上での新しい課題になるからです。
 ここで今感じている3つの懸念について書きたいと思います。

懸念1   過剰なブーム
 業界の方も ビジネスチャンスということで 今 本当に多くのプログラミングソフトやロボットなどが開発されています。やはり そんな中で何が良いのか、判断するのが現場では難しい。そして過剰な「ブーム」はいずれ終わる。そしてブームが去ると決まってその悪影響が取りだたされる。
 20年ほど前「総合的な学習の時間」というものが「ゆとり教育」とともに出てきて研修が盛んにされていました。そのブームが過ぎ今は「ゆとり教育」が日本の子どもの学力を下げたという悪影響ばかりが世間一般に言われています。
同じことがおこるのでは?
総合的な学習もプログラミング的思考も「生きる力を育てる」ために必要なのであって決してブームで終わらせてはならないのです。

懸念2   ビジュアルプログラミング (確かに今の子どもにはピッタリですが)
 今、プログラミング教育を支える言語は ビジュアルプログラミングです。数ある言語の中で小学生高学年用プログラミング教育用の言語は ほとんど ビジュアルプログラミング(言葉が書いてあるブロックを組み合わせていくもの)がほとんどです。代表的な例がスクラッチです。しかし スクラッチは一見 簡単なようですが実は難しいのです。
 また思考は言葉と一体となるものですから初めから言葉を与えて組み合わせていくことしかしないと思考力は育ちにくいと考えられます。例えば英語の単語を常に全て与えてそれを組み合わせて英文を作ることしかしない教育では自分の考えを英語で伝えることは難しいだろうというのというのと同じです。しかし今の現状では それに頼らざるを得ない状況がある。子どもの文字入力の力がどんどん落ちていっているからです。
 昔のキーボード付きのパソコンからタブレットやスマホの時代になったのこともありキーボードからの入力は今でも必要なのにする時間がない。今の大学では 学生にキーボード入力の練習をさせている所が少なくないそうです。それほど子どもたちは社会の影響、学校教育のの影響を受けるのです。
 最初は「お手軽な」ビジュアルプログラミングから、それはそれで良いと思います。しかも立派なプログラミング言語であるのでビジュアルであってもいろんなことができる。スタンダードになっているので各種センサーなどとも接続できるようになり中学校、あるいは高校でもスタンダードになるかもしれない。しかし数年後にはパソコンで試験が行われる時代になる可能性もあり文章をキーボードから入力する必要が出てくる。プログラミングに関するテストも出てくると思われますが、そこはさすがにビジュアルプログラミングとはならない。なぜならビジュアルプログラミングは今の社会のスタンダードではないからである。
 その頃になって上の懸念1に書いたように「プログラミング教育」という名のもとにおもちゃで子どもを遊ばせる暇があったら ちゃんと学校で文字入力ができるようにしてくれないと・・どうしてブロックを組み合わせていくようなプログラミングばかりやって・・テキストを打っていくものはなかったの?というような悪影響が叫ばれることになるのではないか?

ここが一番の懸念でビジュアルプログラミングからテキストプログラミングへの道筋が見えてこないのである。しかし一般社会の要請は間違いなくテキストプログラミングで今のように大学に入ってからキーボード入力練習をしているようでは国際社会から取り残されていくかもしれないのである。

懸念3  さまざまな誤解

世間一般の誤解として これからはプログラミングができないと世の中についていけない。

 今ある仕事がどんどん機械化されこれからはプログラミングができないと就職もできない。そんな声が聞こえてきそうな気がします。しかし一般的な思考力や知識の一つにプログラミング的思考やその知識が増えるだけの話で それさえやっておけば将来は大丈夫だなんてことは絶対あり得ない。大体、小中学校でやるような初歩のプログラミングは 「AI」が自動的に作ってくれるようになると思われます。。
 むしろ 今までの文章読解力やコミュニケーション能力。そして思考力、判断力。表現力さらにそれらを支えるスキルの一つである手で文章を書いたりキーボードから文字を入力するスキルの方が大切だと思います。

先生方の誤解として 
1プログラミング教育もできた作品を共有する創作活動である。

もちろんプログラミングをすれば様々な作品が生まれるがそれをみんなで共有して終わりではなく共有すべきはどういうプログラムでそれが動いているのか あるいはどのような失敗体験をしどのような試行錯誤の上にそれができたのかということである。

2プログラミングは教科の単元目標を達成させるものでなければならない。
 あるいはコンピューターに命令を出す体験さえすればよい。

今回プログラミング教育は各教科の中に位置づけられている。しかし教科の単元目標を達成させるのは今までの授業で取り組むべきであってプログラミング教育はそれを「確実に理解」させる発展的な内容である。しかし、だからといって取り合えず「楽しみながらプログラミングを体験させればよい。」というものでもない。

まとめ

どういうプログラミング教育が 小学生に必要でそれは 中学以降にどうつなげていくのがよいのかを考えていかなくてはならない。また子どもへのプログラミング教育ばかりが話題になるが大人の方に どう広めていくのかを考えないといけないということを強く感じる。

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